「土地」や「物」を、複数の人が共に持ち合うことを「共有」といいます。兄弟でお金を出し合い自動車を1台買った場合、3人の姉妹が親から1軒の家とその敷地を相続したような場合に、共有状態が生じます。
兄弟が同じ家に住み生活を共にしていれば、1台の自動車を2人で適宜使うことはできるでしょうが、1人が独立して別に住むようになると、同居していたときのようにスムーズな利用は難しくなるでしょう。3人姉妹も、転勤して家を離れなければならなくなった人は、家は利用できなくなります。
このように、何らかの理由で一つの物を誰かと共有しているときに、その権利に見合った利用ができないような不合理を解消するために、民法には「共有物分割」の手続があります。
ご対応
共有者は、いつでも話合いで共有物を分割をすることができます。相続した土地が広ければ、3つに分筆してそれぞれの単独所有にするのです。分筆した各土地が「道路」に接道するか、分筆後の評価額は持分割合に見合っているかなどのチェック・ポイントについて、ご相談に応じることができます。
話合いができない場合は、裁判所に分割を請求することができます。現物分割(実際にその物を持分割合に従って分ける)、代価分割(売却して代金を分ける)、代償分割(共有者の誰かが持分より多く、あるいは全部を取得して、もらい過ぎた権利に相当する価格を賠償する)などの方法があります。現物分割ができない物でも、必ず何らかの分割ができますし、裁判所でも協議が難航した場合は、判決により決めてもらうことができます。
弁護士より
共有物分割では、その物の客観的な状況把握と、複数の権利者それぞれの立場をよく理解し、最善の分割方法を見出すことが大事です。
また、土地の分筆では土地家屋調査士の、分筆された土地の評価では税理士の協力が必要になる事もあります。必要な場合はこれら隣接士業と協同し、望ましい分割方法をご提案し、解決します。
共有物分割の裁判手続では、通常の民事裁判にくらべ、当事者間の話合いが重要視されます。あなたの立場を踏まえた代理人となり、合理的な分割の実現をお手伝いします。
弁護士費用
[共有物分割請求訴訟]
対象となる持分の3分の1を「経済的利益」として、当事務所の一般民事事件の弁護士報酬基準に基づいて、着手金と報酬金を計算します。ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産又は持分の額を「経済的利益」とします。